2023年8月24日午前8時30分現在、東京外国為替市場のドル円は、144円台後半で推移しています。
前日のニューヨーク外国為替市場では、ドル円は、予想を下回った8月米製造業・サービス部門PMI速報値を受けて米10年債利回りが4.18%台まで低下したことで144.54円まで下落しました。ユーロドルはユーロ圏各国のPMI速報値が低調な内容だったことで1.0803ドルまで弱含んだ後、米国のPMI速報値が低調だったことで1.0870ドル付近まで反発しました。ユーロ円も156.87円まで下落後157.43円付近まで反発しました。
本日の東京外国為替市場のドル円は、明日のジャクソンホール会合でのパウエルFRB議長の講演を控えて動きづらい展開の中、日米10年債利回りの動きに連れた値動きが予想されます。
**ドル円の展望**
ドル円は、今週の最重要イベントである明日25日23時5分からのジャクソンホール会合でのパウエルFRB議長の講演で、追加利上げの是非や利下げに転じる時期に言及する可能性、すなわち米債利回りの方向性が示唆される可能性が高いことから、144-146円のもみ合いからの上下の放れが期待できます。
パウエルFRB議長の講演では、以下の2点が注目されています。
* 「自然利子率(※中立金利)」の引き上げに言及するのか否か
* FF金利を「より高い水準でより長く(higher for longer)」維持すると表明するのか否か
「自然利子率」に関しては、パウエルFRB議長は、過去の発言で重視していないことを示唆しています。また、パウエルFRB議長のスポークスマン的な役どころのニック・ティミラオス記者も、中立金利引き上げ観測を否定するハト派へ転じています。
したがって、パウエルFRB議長は、FRBの金融政策の判断には自然利子率という不確実な指針を採用しないことを示唆するのではないかと思われます。
ドル円のテクニカル分析では、トレンド系指標(順張り指標)は、依然としてドル高の継続を示唆し、FRB議長のタカ派発言を想定しています。しかし、相対力指数(RSI)などのオシレーター系指標(逆張り指標)などは、弱気の乖離(ベアリッシュ・ダイバージェンス)でのドル安トレンドへの反転を示唆し、FRB議長のハト派発言を想定しています。
**総括**
パウエルFRB議長の講演で、追加利上げの是非や利下げに転じる時期が明確になれば、ドル円は大きく動く可能性が高いです。また、パウエルFRB議長の発言がタカ派的であれば、ドル高が進む可能性があり、ハト派的であれば、ドル安が進む可能性が高いです。