昨日のニューヨーク外国為替市場でドル円は、以下の理由から反発しました。
- 米経済指標の弱い結果を受けて、ドル売り・円買いが先行しました。
- 米株の上昇を背景としたリスクオンの円売りも支えとなりました。
ユーロは、以下の理由から買いが優勢となりました。
- 予想を上振れた8月ドイツ消費者物価指数(CPI)速報値を受けて、ユーロ買いが先行しました。
ドル円は、米経済指標の結果に一喜一憂しながらも、底堅い動きが続いています。
- 米連邦準備理事会(FRB)の利上げで引き締まっていた労働市場が緩み始めているとの見方が強まっています。
- 本日の米個人消費支出(PCE)コア価格指数の発表が注目されています。
東京市場では、中国の8月製造業購買担当者景気指数(PMI)の発表が予定されています。
- 同指標は5カ月連続で景気判断の分岐点とされる50を下回ると予想されています。
- 予想以上にさえない結果となれば、中国株の下落に伴いリスクオフの円買いが見られる可能性があります。
しかし、対人民元でドル買いも進む可能性があり、ドル円は引き続き下値の堅い動きが見込まれます。
また、円キャリートレードの趨勢を示すとされる在日外銀の本支店勘定は、14兆円へ迫っており、円売りに再び勢いがついていることが示されています。
重要用語の解説
- 米経済指標: 米国の経済動向を示す指標
- 米連邦準備理事会(FRB): 米国の中央銀行
- 労働市場: 雇用と失業の状況
- 個人消費支出(PCE)コア価格指数: 個人消費の価格変動を示す指標
- 中国の8月製造業購買担当者景気指数(PMI): 中国の製造業の景況感を示す指標
- 在日外銀の本支店勘定: 外国銀行が日本に置いている本支店の預金残高
- 円キャリートレード: 円を安く買って、他通貨を高く買って、その差額で儲ける取引
解説
米経済指標の弱い結果は、FRBの利上げペースが緩和される可能性を示唆しており、ドル売り・円買いを誘発しました。また、米株の上昇はリスクオンの円売りを後押ししました。
ユーロは、ドイツの消費者物価上昇率が予想を上回ったことを受けて、ユーロ買いが優勢となりました。これは、欧州中央銀行(ECB)が利上げを迫られる可能性を示唆しており、ユーロの価値が上昇しました。
ドル円は、FRBの利上げペースが緩和される可能性や、欧州の経済成長の鈍化懸念などから、底堅い動きが続いています。
中国の製造業PMIが予想以上にさえない結果となれば、中国株の下落に伴いリスクオフの円買いが見られる可能性があります。しかし、対人民元でドル買いも進む可能性があり、ドル円は引き続き下値の堅い動きが見込まれます。また、円キャリートレードの勢いが再び強まっていることから、円売りに拍車がかかる可能性があります。