**東京為替見通し**
* ドル円は、日銀による長短金利操作の修正などを受けて円安の圧力はやや後退しているものの、ドル高地合いが続いていることがドル円の支えになる。
* 本日は下値の堅い動きが見込まれる。
**パウエルFRB議長の講演**
* パウエルFRB議長は先週末の講演で、一段の金融引き締めの判断は「慎重に進める」としながら「適切であれば一段の利上げをする用意がある」と明言した。
* FRBは依然としてインフレが目標の2%に回帰するために政策金利が十分に高いとは結論付けていないと強調した。
* 金利先物市場では依然として約8割が9月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で政策金利の据え置きを織り込んでいるものの、11月FOMCでの利上げ織り込みは5割超にやや上昇している。
**円買い介入の可能性**
* ドル円の上昇局面では引き続き日本政府・日銀による円買い介入が警戒される。
**日銀の更なる政策修正への意識**
* 先週に日銀が公表した7月基調インフレ率は統計開始以来最大の伸びを記録した。
* 植田日銀総裁は26日にジャクソンホール会議のパネル討論会で「基調的インフレは依然として2%目標を下回っている」「日銀の緩和継続は目標を下回っているインフレが理由」などの見解を示した。
* 日銀の更なる政策修正への意識が高まるかどうかにも注目したい。
**解説**
* パウエルFRB議長の講演で、一段の金融引き締めの判断は「慎重に進める」としながら「適切であれば一段の利上げをする用意がある」と明言したことから、FRBによる追加利上げの可能性が高まっています。
* 一方、日銀は金融緩和を継続しており、日米金融政策の方向性の違いから、ドル買い・円売りの圧力は続くでしょう。
* ただし、ドル円の上昇局面では、日本政府・日銀による円買い介入の可能性も警戒されます。
* 今後は、米国の経済指標や、欧州の景気動向、日銀の政策動向などにも注目していきたいと思います。