**ドル円の動向とユーロの影響:**
– 昨日のニューヨーク外国為替市場でドル円は3日続伸した。翌日には米7月消費者物価指数（CPI）の発表が控えていた。
– ドル円は143円台で下値が堅く、4時30分前には一時143.75円と日通しの高値を更新した。
– イタリア政府は銀行の「超過利潤」に課す新税の一部を撤回し、多くの銀行にとって影響を抑制する措置を導入すると表明。
– 前日に大幅安だった欧州の主要株価指数が反発し、ユーロに買い戻しが入った。ユーロドルは1.0995ドル、ユーロ円は157.90円まで高値を更新した。
**本邦企業物価指数と実質賃金:**
– 東京タイムでは本邦7月国内企業物価指数などの発表が予定されているが、結果は円相場の動意にはあまり影響を与えない可能性がある。
– 国内企業物価指数は景気動向の判断や金融政策の材料としても重要であるため、結果には留意すべきである。
– 6月の毎月勤労統計調査によれば、現金給与総額は前年比+2.3％と18カ月連続の増加となったが、物価変動の影響を除いた実質賃金は15カ月連続で前年割れとなり、減少幅も前月から拡大した。
– 日銀は実質賃金の伸び悩みの中で慎重な金融政策運営を迫られることになる。
**米7月CPIと市場の見通し:**
– 米7月CPIの発表を控えており、明日の祝日で東京市場が休場となることから、本日の東京タイムでは積極的な取引は見込めない。
– 米金融当局者が重視する、変動の激しい食品とエネルギーを除いた米7月コアCPIは前月比+0.2％と2カ月連続で約2年半ぶりの小幅な伸びが見込まれ、前年比でも前月と同じ水準の+4.8％が予想されている。
– 一方、総合CPIでは前年比+3.3％と前月の+3.0％から伸びの加速が見込まれている。
– コアCPIがディスインフレの進展を示せば、9月の米連邦公開市場委員会（FOMC）で政策金利の据え置きが決定されるとの市場の観測が後押しされる可能性がある。
– どのような結果であっても、CPI発表後のドルの動きは荒れる可能性がある。
