2023年10月16日
来週の為替相場見通し
来週のドル・円は、以下の点に注目しながら、底堅い値動きとなることが予想される。
米FRBの金融政策
米FRBによる追加利上げ観測は後退したものの、10月19日に行われるパウエルFRB議長の講演でインフレ抑制の方針を強調した場合、ドル売りは抑制されそうだ。また、米企業決算を受けて株高に振れた場合、リスク選好的な円売りが強まるケースも想定される。
経済指標
今週発表予定の経済指標について、9月小売売上高は前回実績を下回る可能性があるが、10月フィラデルフィア連銀景況調査（製造業景気指数）は改善が見込まれており、強弱まちまちの内容となると予想される。いずれも市場予想を下回った場合、追加利上げ観測は大幅に後退し、ドルは弱含む展開となる可能性がある。
中東情勢
中東情勢の一段の悪化はリスク選好的な円売りを抑制するとの見方が依然として多いようだ。
用語解説
追加利上げ観測: 金融政策の正常化の一環として、中央銀行が政策金利を引き上げることを予想すること。
リスク選好: 株式や為替などのリスク資産を買うことを好むこと。
中東情勢: イスラエルとパレスチナの武力衝突や、イラン核合意の再建交渉の停滞など、中東地域をめぐる政治・軍事的な不安定要素。
今後の見通し
来週は、米FRBの金融政策と経済指標の動向が為替相場の方向感を左右することになりそうだ。パウエルFRB議長の講演でインフレ抑制の方針が強調された場合、ドルは底堅く推移する可能性がある。また、米企業決算が好調で株高に振れた場合も、円売りが強まり、ドル・円は上昇する可能性がある。一方、経済指標が市場予想を下回った場合や、中東情勢が一段と悪化した場合は、ドルは弱含む可能性がある。
