来週は、カンザスシティー地区連銀が、ワイオミング州ジャクソンホールで、25日から27日に、年次経済シンポジウム(ジャクソンホール会議)を開催予定で注目が集まります。
26日には、パウエル議長の経済見通しについての講演が予定されており、特に注目が集まります。
市場では、最近のインフレ統計の減速を受けて、インフレのピーク達成期待も強まり、米連邦準備制度理事会(FRB)の利上げ減速の思惑も強まりつつありました。
これに対し、多くのFRB高官が、インフレ制御を巡る勝利宣言には程遠いとの見方で、さらなる利上げを実施する必要性を主張しました。
9月の連邦公開市場委員会(FOMC)での75ベーシスポイント(BP)利上げ観測も再燃してきました。
議長が、労働市場が依然強く、経済が景気後退に陥ることなく、利上げが可能との楽観的な見解を繰り返した場合、大幅利上げ観測が、さらなるドル買いに繋がると見られています。
米国経済指標では、4-6月期国内総生産(GDP)改定値や、FRBがインフレ指標として注視している、PCEコアデフレーターや、期待インフレとして注視している、8月のミシガン大消費者信頼感指数の期待インフレ率に注目が集まります。
欧州中央銀行(ECB)は、7月議事要旨を公表予定しています。
9月理事会での50BPの利上げが示唆されるかどうかに焦点が集まります。
ただ、欧米金利差拡大観測に伴う、ユーロ売り・ドル買いの流れを転換させるのは困難と見られています。
26日発表のアメリカの7月個人支出は、6月実績を下回る見込みですが、市場予想を下回った場合、FRBの引き締め方針を緩める可能性があることから、金利高・ドル高は限定的となりそうです。
米カンザスシティー地区連銀主催の経済シンポジウムでは、世界的なインフレ下での金融引き締めが共通テーマとなりそうです。
米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長が、26日に講演を予定しており、その場で景気への配慮が示された場合には、金利安・ドル安を誘発する可能性があります。
パウエルFRB議長は、8月の米雇用統計や、インフレ関連指標などを挙げ、今後の金融政策は経済データ次第と強調する見通しです。
ただ、物価の高止まりが続くため引き締め姿勢を堅持するとみられ、金利先高観からドル買い・円売りの流れが続くことになりそうです。
予想レンジは、135円30銭から138円30銭と見ています。