昨日の海外市場では、ドル円が4日連続で大幅に上昇し、143.30円まで上昇しました。米国では7月の消費者物価指数(CPI)が予想に比べて低かったものの、米株の買いと米国債利回りの上昇に支えられ、リスクオンの動きがみられました。これにより、ドル円は7月3日以来の高値である144.82円まで上昇しました。
一方、ユーロドルは1.1065ドルまで上昇しましたが、米国の債券利回りの上昇が重しとなり、1.09ドル後半での伸び悩みが見られました。一方で、ユーロ円は堅調な動きを見せ、159.21円まで上昇し、2008年以来の高値を更新しました。
本日のアジア市場では、ドル円は高値圏でのもみ合いが予想されます。日本の祝日と夏季休暇を取っている参加者の多さから、ニューヨーク市場ほどの活気は期待されません。今週に入りドル円は約3円上昇し、年初来高値に迫っていますが、日本の輸出企業は慌ててドルを売る水準ではないとされています。一方、輸入企業はドルを手に入れる必要があり、需要と供給のバランスが注目されています。基本的な需給の流れは変わらない可能性があります。
また、CMEのFF金利先物から算出される「フェドウオッチ」によれば、年内の米連邦公開市場委員会(FOMC)の会合では金利が据え置かれると予想されていますが、来年の会合からは利下げの期待が高まっています。しかし、複数の米金融当局者がインフレに警戒感を示し、追加の利上げを示唆しているため、市場と当局者の意見のぶつかり合いが続く可能性があります。金融政策の不透明感が高まれば、リスクセンチメントが悪化する可能性も考えられます。
今日の注目イベントは、ロウ豪準備銀行(RBA)総裁の議会証言です。RBAは利上げ予想に反して政策金利を据え置いたものの、インフレ見通しの下方修正などでタカ派姿勢を抑えています。豪ドルは対ドルで弱く推移しており、総裁の発言次第では0.64ドル半ばが意識されるかもしれません。