為替解説

2日の東京外国為替市場では、ドル円が弱含みの動きとなっていました。朝8時時点でのレートは142.91円で、ニューヨーク市場の終値(143.34円)と比べて43銭程度のドル安水準でした。これは、フィッチ・レーティングスという格付け会社が米国の格付けを「AAA」から「AA+」に引き下げたと報じられたことが影響しています。

フィッチ・レーティングスは、今後3年で予想される財政状況の悪化や一般政府債務負担の拡大、他の「AA」および「AAA」格付け諸国・地域と比較してのガバナンスの低下を理由に格下げしたと説明しています。市場参加者の間では、格付け見通しの悪化が予想されていたため、格下げは想定内という声もありますが、一部の市場参加者は米国の債務負担の増加や外国政府が米国債の保有を減らす動きがあることを考慮し、格下げの影響は小さくないと指摘しています。このニュースに反応してドルが全面安に傾き、対円では142.75円まで弱含んだ状態でした。

一方、ユーロドルは堅調で、8時時点でのレートは1.1009ドルで、ニューヨーク市場の終値(1.0984ドル)と比べて0.0025ドル程度のユーロ高水準でした。米国の格下げを嫌気しているため、昨日の高値を上抜けして1.1020ドルまで上値を伸ばし、堅調に推移していました。

ただ、ユーロ円は上値が重く、8時時点でのレートは157.33円で、ニューヨーク市場の終値(157.45円)と比べて12銭程度のユーロ安水準でした。米国の格下げの影響で米株先物に売りが入ることで、クロス円の上値は重くなり、ユーロ円は157.22円まで下押しした状態でした。

また、NZドル円も弱含みで、レートは87.73円でした。4-6月期のNZ雇用指標はまちまちな結果でしたが、民間賃金の伸び率が市場予想を下回ったことが重しとなっています。NZドル/ドルも0.6140ドルまでじり安な動きとなっていました。

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