日付:2024年2月17日
ドル・円の動向についての考察
来週のドル・円の動きは、堅調なものと予想されます。昨年11月以降、ドル・円は150円台を維持しており、円安の傾向が見られます。このため、日本政府は円安の進行を抑制したいと考えているようです。2022年には、150円を超えるレベルで大規模なドル買い・円売り介入が行われ、市場は再度の介入を警戒しています。昨年も、ドル・円が150円台に上昇した際には、神田財務官が為替介入の「スタンバイ」を表明し、その後の円安を阻止した経緯があります。しかし、日米間の金利差が維持されているため、ドルが好まれる状況は変わらず、短期的には150円近辺の水準が維持されると見られます。
その他の考慮点
3月に開催される米連邦公開市場委員会(FOMC)では、政策金利の据え置きが確定的と見られています。現在のところ、利下げの開始は5月以降と予想されています。一方で、国内経済の減速を受けて、日本銀行によるマイナス金利政策の解除時期は3月以降となる可能性があります。これにより、金融政策の修正を期待した円買いは減少し、政府の円安けん制の効果が弱まる可能性があります。
全体的な見通し
以上の要素を考慮すると、来週のドル・円の動きは堅調と予想されます。しかし、金融政策の変更や市場の期待など、さまざまな要素が影響を及ぼすため、注意深く市場の動向を見守る必要があります。
用語解説:初心者向け
- ドル・円:外国為替市場での1ドルあたりの円の価格。ドル・円の値が上がると円安(ドル高)、下がると円高(ドル安)となります。
- 為替介入:中央銀行が外国為替市場に介入し、自国通貨の価格を調整する行為。ドル買い・円売り介入は円安(ドル高)を、ドル売り・円買い介入は円高(ドル安)を目指します。
- FOMC(連邦公開市場委員会):米国の金融政策を決定する機関。利上げや利下げの決定を行います。
- 金利:お金を借りるときや貸すときに適用される利率。金利が上がると借り入れコストが増え、金利が下がると借り入れコストが減ります。
- マイナス金利政策:中央銀行が預金金利をマイナスに設定し、金融機関が中央銀行に預ける資金に対して利息を払う政策。これにより、金融機関が資金を貸し出すことを促します。